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第66回 東照寺写経の会

9月7日の 「 写経の会 」
参加者 22名。

今月の法話は、 「 舎利礼文 ( しゃりらいもん ) 」 の解説。
6月にお経の意味などを知りたいとの要望があり、前回もチョットだけお話しました。

72文字 ( 四言十八句 ) で、般若心経 ( 276文字 ) の 約1/4
しかし、その内容は実に簡潔に大乗仏教の主旨を示しています。
曹洞宗では、枕経や葬儀、火葬・納骨、法事の時にも読む場合があります。
また、他の宗派でも読まれますので、耳にする機会が多いことでしょう。

それでは、お経を読み、意味合いを読み取っていきましょう。

舎利礼文 ( しゃりらいもん )
  お釈迦様の遺骨を礼讃するお経

一心頂礼 ( いっしんちょうらい )
  心から礼拝いたします。
万徳円満 ( まんとくえんまん )
  よろずの徳が十分に具わった
釈迦如来 ( しゃーかーにょーらい ) 
  お釈迦様に。
真身舎利 ( しんじんしゃーりー )
  お釈迦様のお骨と
本地法身 ( ほんじーほっしん )
  お釈迦様の真理を説いた教えと
法界塔婆 ( ほっかいとうばー ) 
  お釈迦様を礼拝する供養の塔などの全てを。
我等礼敬 ( がーとうらいきょう )
  私たちが敬い礼拝すれば
為我現身 ( いーがーげんしん )
  お釈迦様は私にお姿を現し
入我我入 ( にゅうがーがーにゅう ) 
  お釈迦様が私を包み込み、私はお釈迦様と一体になれるのです。
仏加持故 ( ぶつがーじーこー )
  お釈迦様が私を守ってくださるが故に
我証菩提 ( がーしょうぼーだい )
  私は心安らかな悟りを得られるのです
以仏神力 ( いーぶつじんりき ) 
  お釈迦様の例えようもない偉大な力によって
利益衆生 ( りーやくしゅーじょう )
  私たちは、利益、しあわせを感じられるのです。
発菩提心 ( ほつぼーだいしん )
  悟りを求める心を起こし
修菩薩行 ( しゅうぼーさつぎょう )
  他者の利益を先とする菩薩の行いを実践すれば
同入円寂 ( どうにゅうえんじゃく )
  自他共に心安らかな世の中となるのです。
平等大智 ( びょうどうだいちー )
  このように、差別することなく平等で大いなる仏さまの智慧に対し
今将頂礼 ( こんしょうちょうらい )
  今まさに礼拝いたします。

2023.9.7 お釈迦様

自分の命が、素晴らしい仏の御子であると気づき、それを教えてくださったお釈迦様に感謝の礼拝を捧げれば、この世の中が自他ともに救われる仏の世界となる。そのことを教えてくださっているお経です。
お釈迦さまをお慕い申し上げ、遺骨をはじめ、心からお釈迦様の存在全てを礼拝するお経なのです。
読むだけでなく、礼拝という行為が伴って初めて意義あるものになると思います。
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写経とハンドマッサージ講習

7月19日(水) “ 東照寺写経の会 ” の後に、午後から “ ハンドマッサージ講習会 ” を本堂で行いました。
講師は 中山町の 今野有希子さん ( 隠れ家サロン それいゆの家 )
手作り生活を楽しみながら、完全予約制の自宅サロンをされています。

最初はセルフマッサージ
“ 自分にお疲れ様を! ” ということで、毎日いつでも働いてくれている自分の手に 「 おつかれさま ありがとう 」 の言葉を掛けながらのセルフでのマッサージ。
 手のもみほぐしは、血行促進や体全体のリラックス効果があるということで、まずは、左の手と腕を右手でマッサージ。数分のマッサージ効果が、両腕の色の違いにハッキリと出ました。
 1時間弱のセルフマッサージには、私も含め20名程。

その後、事前申込者(6名限定)に個別ハンドマッサージ(一人10分程度)

自分の体に自分でお疲れ様と思いながらマッサージするのっていいものですね~。
自分を大切にするのは、単に体を大切にするというだけでなく、今、生きていられることに感謝することにもつながるような・・・。

2023.7.19 セルフハンドマッサージ
セルフハンドマッサージ

2023.7.19 個別ハンドマッサージ
個別ハンドマッサージ

2023.7.19 ハンドマッサージ 昼食料理
午前中の 「 写経の会 」 の後なので、昼食も準備しました。
4名の方にお手伝いいただきました。
ありがとうございます。

2023.7.19 ハンドマッサージ 昼食会 1
昼食もいろいろな情報が飛び交いますね~

2023.7.19 ハンドマッサージ 昼食会 2
おいしく食べてもらえたようです。

第65回 東照寺写経の会

7月19日の 「 写経の会 」
参加者 24名。

今回の法話は
先月 “ 『 仏遺教経 』の最終回!! ” ということでお話を終えたわけですが、私の中にまだ伝えきれていないという思いが強く、今回も20分ほどお釈迦様の遺言であるお経から受け取るべきことを語らしてもらいました。

お釈迦様が最後の最後に伝えたかった事は
「 人生は四苦八苦の苦しみに満ちている 」 というのが大前提ですが、私たちはこの世にありがたくも不思議なご縁によって人間というすばらしい命をいただいた。その最も勝れたすばらしい人間だからこそ、お釈迦様は “ 八大人覚 ” を示され、自分の精進・努力により苦しみの世界から逃れられると信じて実践しなさいと示されたのです。
お釈迦様の現世での最後のお言葉はとてもとても重いものです。
知識としてだけでなく、少しでも実践していきたいものです。


そして、今回は、先月の茶話会の折に、 「 次回からの法話で聞きたいことなどないですか? 」 とたずねたところ、 「 舎利礼文を教えて欲しいです 」 と、手が上がりました。 「 舎利礼文 ( しゃりらいもん ) 」 というお経は72の漢字でできていて、とても短いお経です。
残り時間が少なかったために、「 舎利礼文 」 のお経と、直訳と意訳をプリントしたものを配付し、意訳を中心にお話をしましたが、深い意味合いは、次回、9月にお話することにしました。

2023.7.19 写経の会 1
今回は全員女性でした!

2023.7.19 写経の会 2
座布団に正座する方は少ないですね~

2023.7.19 写経の会 茶話会
写経終わってからの “ 茶話会 ” 今回、ほとんどの方が残って参加してくれました。
いろんな話が弾みます。

第64回 東照寺写経の会

6月16日の 「 写経の会 」
参加者 22名。

今回の法話は
『 仏遺教経 』 の最終回!!
令和3年4月から始めて、2年3か月、19回の長編でしたね~
最後の部分は 「 もう一回。あと30分あればもっと説明できたのに・・・ 」 とも思ったのですが・・・。

汝等 ( なんだち ) 比丘 ( びく )、憂悩 ( うのう ) を懐くこと勿 ( なか ) れ 若し我、世に住すること一劫 ( いっこう ) するとも、会うものは亦た当 ( まさ ) に滅すべし。
のところからです。
「 弟子たちよ、嘆き悲しむな。もしも、私 ( お釈迦様 ) がこれから途方もなく長く生きたとしても、出会ったものとはいつかは別れなければならないのだ 」 と、お亡くなりになる前、力を振り絞って最後のお諭しを示されるのです。

 この世は無常である。
 精進を重ねて仏の智慧を得て、愚かな闇の心を滅しなさい。
 世の中は危うく脆い、屈強なる者はいない。
そのようなお話をした後に、次のように語られます。

我 今 滅を得ること、悪病を除くが如し。此れは是、応 ( まさ ) に捨つべき罪悪の物なり。仮に名づけて身と為 ( な ) す。生老病死の大海に没在せり。
何ぞ智者はこれを除滅することを得ること、怨賊 ( おんぞく ) を殺すが如くにして、而も歓喜せざること有らんや。


今から死を迎えるのは、悪い病気を取り除くようなものだ。
体は捨てるべきものなのだ。
自分の体だと思っていただけなのだ。
四つの苦しみの中で、もがいていたようなものだったのだ。
であるから、このように理解できる覚者は、煩悩を生じさせる体というものを滅することができるということは、忌み嫌う物を取り払うようなものであり、喜ばないということはあり得ないのだ。
とまで、おっしゃっているのです。

「 無余 ( むよ ) 涅槃 」 という肉体も滅し尽くして、食欲や睡眠欲という生きるための最低限の欲求さえも生じない悟りの境地に入れるという喜びを示されたのでしょう。
ありがたくもいただいた肉体を十分に使い切れた喜びにも聞こえます。

鈴木章子 ( あやこ ) さんの、次の詩を紹介しました。
   『 変 換 』
 死にむかって進んでいるのではない
 今をもらって生きているのだ
 今 ゼロであって当然な私が
 今 生きている
 ひき算から足し算の変換
 誰が教えてくれたのでしょう
 新しい生命
 嬉しくて 踊っています
 “いのち 日々あらたなり”
 うーん 分かります

鈴木章子さんは42歳で乳癌が見つかり、5年間の闘病生活の後、昭和63年に47歳で逝去された方です。
この詩は、闘病生活の最後の頃に書かれたのだと聞いた覚えがあります。
生まれなくてもなんの不思議でない自分が、ありがたくも人間として生きる今があることに感謝し、今を生き切るしあわせを教えてくれます。

お釈迦様は 「 この世は “ 苦 ” である 」 という大前提を示されました。
しかし、最後の旅の途中、バイシャーリーというところで
「 この世は美しい。人の命は甘美なものだ 」 と語っています。
生きることは苦しみ、悲しみがたくさんあります。
しかし、だからと言って、人生を嘆き悲しみで終わらせてはいけないのです。
なぜなら、お釈迦様の教えに耳を傾け、頷いて、実践する。
人間は、自分の行い次第で人生を変えられる生き物なのですから。
だからこそ、人生の終わりに “ 人の命は甘美なものだ ” とおっしゃったのでしょう。

2023.6.16
客間のテーブルの上に、花と家内の夏向きの作品がのっかっていました。

2023.6.12
今年のテッセンはきれいにたくさん咲きました。

第63回 東照寺写経の会

5月19日に行いました写経の会の参加者は18名。
今回も初めての方がいらっしゃいました。うれしいです!

今回の法話は
『 仏遺教経 』 の18回目。
お経も残りわずかとなりました。
来月が最後の解説になるかもしれませんね。

今回は、前回の “ 四聖諦 ” の復習から。
“ 苦・集・滅・道 ” ですね。
思いどおりにならないことが “ 苦 ” という “ 結果 ” になる。
思いどおりにならない “ 原因 ” が何かと見つけたものが “ 集 ”。
その苦しみは 「 八正道 」 という方法の実践 “ 原因 ” により、苦が滅するという “ 結果 ” になる。
集(煩悩)という原因 → 苦 という結果。
道(八正道)という原因 → 滅 という結果。

< 詳しくは先月のご報告をご覧ください >

お釈迦様は、お悟り後に最初に説法されたこの “ 四聖諦 ” を弟子たちに向かって 「 わかっているのか 」 「 わからない者がいたら申し出なさい 」 と繰り返し語りかけ、四聖諦のことをうやむやなままでいてはいけないと伝えるのです。
誰も質問しないので理解をしているということなのですが、それでもなお、お釈迦様は大いなる慈しみの思いをもって最後の力を振り絞りながらご法話を続けるのです。

“ 八正道 ” については、以前にも説明をしているのですが、遺経の法話が終わった後に、要望があれば説明していこうかと思っています。

2023.5.19
池の金魚  食欲も繁殖も旺盛のようです
プロフィール

zenzen1213

Author:zenzen1213

山形県尾花沢市にある
曹洞宗寺院の住職です

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