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掛け軸

先月依頼しておりました掛け軸 三本が完成しました。
みなさんにご紹介します。


一つ目は、7月20・21日に檀参(だんさん 檀家さんと一緒に参拝に行くこと)で大本山永平寺様に伺った際に、丸子孝法副監院老師よりいただきました 「澄心得妙観」の書 です。
参加された方には、是非にご覧いただきたい書です。

      掛け軸 1
                   「澄心、妙観を得る」
    “ 澄んだ心を持つことにより、微妙で奥深い仏法の真理を観察することができる。”

表装を、あえて、水色にしてもらいました。
書を見て、自分の心を少しでも澄ましたいなどということからですが・・・。
軸にだけ頼ることなく、努力していきたいと思っております。


二つ目は、道元禅師が書かれた 『立春大吉文』 というめでたい書の拓本。複製品ではありますが、軸にして飾りたいと思い制作を依頼しました。

            掛け軸 2
南謨仏法僧宝は大吉 立春は大吉 一家の祖師祖宗は大吉 仏法の弘通は大吉大吉 祖道の光揚は大吉 寺門の繁昌は大吉 門子多く集まり人の逢うを得たる時 天下吾が道に帰崇するは大吉大吉
   大吉立春大吉
 大吉開山 永平大吉 道玄
   寛元五年丁未立春 大吉大吉

大吉」という言葉が15個も入っており、めでたい文章です。


三つ目は、中国の少林寺にあります碑の拓本 「嵩山少林禅寺 達磨一葦渡江図」 です。

            掛け軸 3
禅宗の初祖(しょそ 初代)であります達磨大師(インドに生まれ、禅を中国にもたらした)が、中国の梁武帝(りょうのぶてい 梁の国の帝王)と相見し、武帝に愛想をつかした後、夜、静かに長江を渡って北に向かいました。そのとき達磨大師は、「一葦(いちい 一枚の葦の葉)」に乗って渡ったといわれており、達磨大師の法力により一枚の葦の葉に乗って川を渡った姿として描かれています。

でも、「そんなことはないだろう~」と思いますよね。
この「一葦」というのは、葦の葉を一束にしたものを使って作られた筏を意味するのだそうです。
その筏を使って渡ったとすれば「納得!」ですよね。

達磨大師の素晴らしさを伝える中で、このような姿に表されたのでしょう。

30年程前、少林寺に参拝された方(20年ほど前に亡くなられました)よりいただいていたものです。今回、表具することができ、なにやら安堵している自分がいます。
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リフォーム 2 と 六曜

先日、9月20日から庫裡の一部のリフォームがいよいよ開始しました。

7月4日にも書きましたが、一階部分の一部の改修と外装等の工事です。

     リフォーム2-1

施工会社から事前に、20日から工事をしたいとの申し出がありました。
20日は「彼岸の入り」で、それまでの準備等を考えると何かと忙しいわけでして、別の日に始められないのかと話しましたが、「大安ですから・・・」とのこと。「次の大安は26日になってしまい、工事が遅れてしまうことも心配ですし・・・」と。

「こちらとしては、大安にはこだわりませんよ。仏滅でもいいんですから。」といっても、うなづいてくれませんでした。
「大工さんをはじめ、施工者がいやがるのであれば仕方ありませんが・・・」と折れるしかありませんでした。
実際に工事を行う方が気持ちよく仕事ができるのであれば、それも仕方がないことですらね。
「仏滅に仕事を始めたから事故を起こした。」なんてことになっても困りますし・・・。

23日は彼岸の中日で特にお檀家さんのお寺へのお参りが多く、ご法事もあることから、工事は休みとしていただきました。
11月下旬までの工事ですので、東照寺においでのみなさんにご迷惑のかからないようにとは思っておりますが、ご理解ください。


せっかくですので、暦の六曜について書きます。

「六曜(ろくよう 又は りくよう と読む)」といわれるもので、「先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口」の6つが単純に繰り返されてカレンダーに書かれているんですね。
でも、その順番が突然変わる時があります。「なあ~んでか?」
その答えは後ほどに・・・。

六曜は中国が起源だとか言われているようです。日本には鎌倉時代から室町時代ではないかとのことです。
その日の運勢を示すもので、ばくち打ちなどの勝負師や遊び人などが、掛けごとを行う際に利用したものだと言われています。6つしかない区分けなので、簡単でわかりやすいということもあって近年に一般的に流行したとも言われています。

「仏滅」は、最初、「虚亡」「空亡」と言われていたんです。総てがむなしいということから、「物滅(ぶつめつ)」となり、その「物」が「仏」の字に当てられ「仏滅」となったんです。
「友引」も「共引(ともびき)」が変化したもので、当初の意味は、共に引くということで、勝敗がつかない。引き分けと言う意味です。「留引(ゆういん)」の「とめひく」が「ともびき」となり、「友引」の字になったということもあるようです。

「赤口(しゃっく しゃっこう など色々な呼び方あり)」は、もともとから使われているものですが、他の5つは全て漢字が変わってきているのです。ですから、意味合いもまったく変わってきている場合も多いんですね。

肝心なことですが、「六曜は仏教とは一切関係ないものです!!」
お釈迦様はこのような占いごとは一切禁じているのです。

ただし、「友引でもいいから葬儀をしなさい」とは申し上げておりません。それは、「友を引く」という考え方が一般的にある中で、葬儀を執行する施主家とお坊さんだけが納得して葬儀をおこなっても、その後に、親族や近隣、友人等がお亡くなりになった場合、友引の日の葬儀が原因ではないにしても、気まずい思いをすることも考えられますからね・・・。


最後に、“順番が突然変わる時があります。「なあ~んでか?」”の解答です。

日を決める基準となるのが、旧暦です。
今日、平成25年9月24日は、旧暦の8月20日です。
この「8月」と「20日」により、六曜が決まるんです。

8+20= 28 ですね。 月と日を足し、6で割るんです。
28÷6=4 余り 4 ですね。 この「余り」で決まります。

余りが 0は「大安」 1は「赤口」 2は「先勝」 3は「友引」 4は「先負」 5は「仏滅」 と決まっています。

ですから、今日は、余り4ですから「先負」と言うことになります。
六曜が書いてあるカレンダーなどを見て下さい。そうでしょ。

旧暦の元旦は、1+1ですから、余りは2です。
ですから、旧暦の元旦は、毎年、必ず「先勝」ということになりますね。

ということで、答えは、
≪ 旧暦の「月」と「日」を足すので、旧暦の月が変わると順番が突然変わる ≫ です。

私が申し上げたい結論は、
『 六曜は根拠のないものですから、とらわれることはありません。 』 ということです。

『 日々是好日 』です!
今日を意義ある日になるよう、取り組んでいきましょう!!

法恩寺様での法話

昨日から秋の彼岸です。

一昨日は「中秋の名月」でしたね。とてもきれいな満月でした。

でも、「暦の関係で、中秋の名月は必ずしも満月になるとは限らない」のだそうですね。
平成23年から今年までは3年連続しましたが、次は8年後だそうです。
雲に隠れればそれも見ることができないしね~。 貴重な月だったんですね。


     法恩寺様法話
さて、彼岸の入りの昨日、山形市の法恩寺様で施食供養が行われました。

10日ほど前に、いつも法話をお願いしている和尚さんが都合悪くなってしまったとのことで、1時間ほどの法話をしてほしいとの依頼があり、ピンチヒッターでお話をさせていただきました。


本堂に入堂しましたところ、檀家さんは本堂の左右に、そして、窓際の方に離れてお座りでした。
これは、あまり興味を持って聞いていただけないんだろうなと、ちょっと不安に思いながら話をしましたところ、私の方を向いて真剣に聞いて下さる方や、うなづいて聞いて下さる方など、思いのほかの反応がありました。

みなさん、聞いて下さる受け入れ態勢をお持ちなんですね。ただ、他の人より前に出て行くのは申し訳ないというような、遠慮深さがあらわれていたようです。これが日本人的なんですよね。私はこの気持ちはきらいではありません。

でも、私でなくて、歌手の氷川きよしさんとかがおいでになったら、我先に前の席を確保したでしょうね。(笑)
それは当然のことですよね~。

つたない話にお付き合いいただき、ありがとうございました。


話の内容の一部を書いてみます。

私たちの心は、揺れ動いています。
心は顔や態度にあらわれますが、逆に、姿によって心が変わるということがありますね。
合掌の仕方にも心が表れます。だから、正しい合掌をすることで心も変わるということもありますよ。

オリンピックのプレゼンテーションで行われた滝川クリステルさんの「おもてなし」の後の合掌(日本人はあいさつで合掌はしないという批判もあるようですが)。
日本人は、合掌を葬儀や法事など、めでたくない時にする作法という感覚でいるようですが、それは大きな間違いです。
合掌の姿は、世界中の人がきれいな姿ととらえるのです。
 『取る 掴む 手を合わせての 彼岸かな』
普段は、取ったり掴んだりというように、自分が得るため(有所得 うしょとく)の手として使っていますが、手を合わせることにより満足する(無所得 むしょとく)の手になるのです。
 『右 仏 左は我と 合わす手に 中にゆかしき 南無(なむ)のひと声』
お釈迦様に総てをお任せし、任せた身であることを片時も忘れず暮らす七日間が、お彼岸という『仏教週間』なのです。

曹洞宗では、今年度の布教目的を 『布施』としています。
『布施』は、物でも心でも惜しみなく分かちあう菩薩行です。

お金が無くてもできる布施 「無財(むざい)の七施(しちせ)」を実行しましょう。
眼施  常に温かく優しい眼差し向けましょう
和顔施 いつもにこやかに接しましょう
言辞施 やさしい言葉を掛けましょう
身施  自分の身体で他の人の役にたちましょう
心施  思いやりの心を持ち、相手の立場になって考えましょう
床座施 座席や場所を譲ったり、あるいは意地を張らないようにしましょう
房舎施 困っている人がいれば、家や部屋を提供しましょう

布施とは、簡単に言えば、「優しさ」であり、 みなさんも「優しい人」は好きでしょう。
  優しい奥さん 優しい檀那さん 優しい息子 優しい娘 優しい孫
皆さんも、その優しさを求められているのです。優しさを向ければ喜ばれるのです。


道元禅師は、「衆生を利益すというは、衆生をして自未得度先度他の心を起こさしむなり」(人々を救おうと思うならば、その人々に優しい思いやりの心を起こさせなさい)と示しています。
子供や孫を幸せにしたいなら、優しさと思いやりを持ち、自分以外のものを大切にできる人に育てなさいというのです。
でも、どうしたらいいのでしょう。
 
そうなるには、まず、自分が感謝の心を持つことから始まるのですね。
「ありがとう」 「お願いします」 の一言をできるだけ言いましょう。
「いただきます」「ごちそうさま」と、手を合わせましょう。

『今日 彼岸 菩提の種を 蒔く日かな』
  (彼岸は生きている私たちが修行をする「仏教週間」です。「優しさの種」を撒く時期です。) 

是非、実践してください。

「今やらなくていつやるの 今でしょ!」です。

まずは、恥ずかしがらず、合掌して「いただきます」をやってみませんか。

20,000日目

20,000日目  

「いつから?? 何が??」の突っ込みが入りますよね。
すみません。変なタイトルになりました。

私が生まれて、今日で2万日目になります。

誰も 「」 こんなマークを付けるほどのことでもないと思うのでしょうが、私が一人「ちょっとびっくり」しているだけなんです。

数日前に、ネットで何気なく検索していましたら誕生日からの日数を換算できるページに出会いまして、何とはなしに誕生日を入力したところ、19,99○日ということで、9月15日が20,000日目とわかりました。
50数年生きていることはぼんやりと認識していました(笑)が、改めて2万という切れのいい数字を示されると「ドキッ」としてしまいました。

とはいうものの、格別のことのない日曜の檀務(だんむ ご法事などのお勤め)で忙しかった一日でした。
一日一日の積み重ねがカウントをひとつずつ上げて行くだけなんですよね。
その結果としての2万日です。
まだまだ元気に積み重ねていきたいものです。そして、今まで以上に充実した一日一日を重ねていきたいと思っています。

  「日々是好日」と思い、「日々是充実」を目指したいと思っています。

  「無常迅速 時は人を待たず」ですね。

なんてことはない「20,000日目」ですが、今日から、そして、明日の「20,001日目」からの日々を大切に積み重ねていきたいな などと感じた一日でした。

富沢観音??

お見かけしない方3名が本堂でお参りの後、庫裡(くり 客間などがある建物)の方においでになり、「ご朱印をいただきたいのですが・・・」と御朱印帳を出されました。
御朱印帳を見ますと最上三十三観音の様子。 「富沢観音さまですよね」とのこと。

最上三十三観音の第31番札所の富沢(とみさわ)観音さまと間違えられて来られたのです。
途中、道を聞いてきて、「橋を渡ったらすぐ右手に見えます」と教えられたそうです。

東照寺は、通称「高橋の寺」と呼ばれていますが、正式な住所は「尾花沢市富山(とみやま)」なんです。たぶん、道を教えた人が、「富沢の観音さま」を「富山の観音さま」と聞き間違えて教えたのでしょう。

山形市からおいでの方でしたので、富沢観音さまはこの先をまっすぐ行って、山刀伐峠(なたぎりとうげ 芭蕉さんが越えて来た峠です)のトンネルをぬけて国道47号線沿いにあることをお知らせしました。


間違っておいでになりましたが、「こちらの観音さまにも手を合わせることができて良かったです」と帰られました。


東照寺の前の道路は、最上三十三観音霊場を巡礼する方は、必ずと言っていいくらい通って行きます。
昔、歩いて巡礼された方々は、東照寺の観音堂にも必ず立ち寄って行かれたと聞いています。
ですから、観音堂の外には木札が、内には沢山の和紙のお札が格子に結ばれています。

観音さまにお参りする方は、最上三十三観音の札所だけにこだわらず、観音さまのお慈悲におすがりされていったのでしょう。観音s間にお参りをしたいという信仰心の厚さがうかがえます。


6月の新聞掲載の関係や、「南無千手観世音」ののぼりなども立てているので、手を合わせにおいでになる方がいつもより多いようです(いつもは、檀家さん以外はほとんどおいでにならないので・・・)。

多くの方に手を合わせにおいでいただければと思います。
今日のように間違ってでもいいですから・・・(笑) 

3名の方の巡礼の無事円成を念じます!


プロフィール

zenzen1213

Author:zenzen1213

山形県尾花沢市にある
曹洞宗寺院の住職です

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