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第59回 東照寺写経の会

本日の参加者は16名。
今日の法話は
『 仏遺教経 』 の14回目。

「 八大人覚 ( はちだいにんがく )」 の
第7番目 “ 智慧 ” です。

若(も)し智慧あれば則(すなわ)ち貪著(とんじゃく)なし
常に自ら省察して失(しつ)あらしめざれ


もし、智慧あれば貪りと執着はなくなる。
常に自分の心を見つめて過ちがないようにしなさい。

一般的には “ 知恵 ” と書きますが、仏教で “ 智慧 ” と記す場合は “ 仏の智慧 ” であり “ 般若 ” のことです。
“ 智慧 ” を持つということは、頭がいいということではないし、知識を使うことだけでもないのです。智慧があれば、この世の中の真実の相 ( 無常の世 ) を見据えて生きることができるというものです。

仏教とはどういう教えかと問われれば、 「 智慧の教え 」 だとも言えます。
ですから、いろいろな宗派で “ 般若心経 ” がとても重要なお経だと言われるのです。般若 ( 智慧 ) について短い文面で要約された肝なおだからなのです。

智慧と似ている言葉に、 “ 知識 ” があります。
学校で学んだり、家庭や社会、テレビやネットでも色々な情報を知ることができ、この情報を頭に入れたものが “ 知識 ” となります。
ノーベル賞などを受賞した方々は、素晴らしい専門分野の知識人と言えるでしょう。
しかし、この知識というものには際限がない。もう覚えなくてもよいという、終了、完成ということがないのです。
そして、肝心なのは、知識人がイコール人格者とは必ずしも言えない。 「 知識 」 は、いくら増えたとしても、人格・性格は変わらないのです。
しかし、 「 智慧 」 ある人は、直接的に人格が変わります。自己の完成を得ることができるのです。

聞思修 ( もんししゅ ) の慧 ( え ) を以て、而 ( しか ) も自ら増益 ( ぞうやく ) すべし

仏の教えに 「 耳を傾け 」 「 うん。と頷き 」 「 実践していく 」 という智慧を以ち、そしてまた、自らをその智慧による効果を益々増幅させなさい。  と示されています。

仏のすばらしい教えに、耳を傾け、うん と頷き、それを実践し続ければ、心安らかな日々を過ごせることでしょう。
私も努力してまいります。

2022.10.19 東照寺写経の会
ホワイトボードは殴り書き状態ですが、参加者がメモを取ったり、写真を撮ったりする方もいらっしゃるので、板書しながらの法話になっています。

どなたでも参加できる写経会です。
無料です。
今年は、あと2回だけになりました。
興味ある方は、こちらのチラシをご覧ください。
https://blog-imgs-151.fc2.com/t/o/u/tousyouji/S25C-922052412540.jpg
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zenzen1213

Author:zenzen1213

山形県尾花沢市にある
曹洞宗寺院の住職です

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