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第42回 東照寺写経の会

9月7日、 “ 東照寺写経の会 ”
参加者11名

台風10号で九州地方を中心に被害の情報が、新聞・テレビで報道されています。
自然の恐ろしさを、また、見せつけられています。
今年は山形県内も豪雨による最上川の氾濫など、広範囲で被災されました。

本日の写経の会の参加者の中に、住宅の一階部分が浸水した方がいました。
雪国特有の一階部分が車庫などの高床式とはいうものの、廃車になった車もあるとか。
一か月以上経た今でも元通りにはなっていない中、写経の会に参加してくれました。

3日間、高校生や会社員など、ボランティアの協力を得て助かったそうです。
「 ボランティアの方々は、全員観音様たちだったのではないですか 」 との問いにうなずいてくれました。
誰しもが観音様になれる。 “ 利他 ”の心を育てたいものです。


本日の法話は、般若心経の “ 五蘊皆空 ( ごうんかいくう ) ” について。
 五蘊とは、色・受・想・行・識。
“ 色 ” は私たちの “ 身体 ” 、 “ 受~識 ” までの4つが “ 心 ” の部分。
この身と心がすべて “ 空( くう ) ” である。
この “ 空 ” とは、何もないとか空っぽとかということではなく、永遠に変わらない不変なものではないということ。
「 実態はないのだ 」

目の前にあるものを、今は〇〇と認識して利用していても、時間と共に老朽化や破損してその利用ができなくなった時、〇〇とは呼べなくなる。
ほとんどのものがそうなのでないか。そうであれば、〇〇というものの 「 実態はないのだ 」 と言える。
このことを “ 空 ” と言っている。

また、目の前にあるものを見て、自分は〇〇であると認識していても、別の人は〇〇ということを知らなければ、●●だと思うこともある。
そうした場合、全員が〇〇として認識しない。であれば、その物は〇〇であるとは呼べないだろう。

中古の仏壇。日本での再利用はまずない。
しかし、海外で人気だというテレビ報道を見た。
立派な彫り物がされていて、棚もあり、引き出しもあって、とても精巧に丈夫に作られている仏壇を、宝石類をしまい込むタンスのように使用したり、飾り棚のように使ったりと、喜んでオークションで購入している映像だった。
先入観のある日本人には到底使用できない方法で活用している。
これもその仏壇が “ 空 ” であるということなんだろうと思い見ていた。

全てのものが “ これだ ” という、永遠に変わることのないものなどない。
全てのものが 「 これはこういうものであるという実態はないのだ 」 と教えてくださっているのが、 “ 五蘊皆空 ” ということであり、そのことをつかみ取れれば、 “ 度一切苦厄 ” となるわけだが・・・。
今日の法話はここまででした。


10月からは、写経後の 「 茶話会 」 を再開しようかと思っています。
コロナウイルスの状況を見ながらの判断になりますが。
早く、以前のような茶話会ができるといいのですが、まずは、参加希望者だけで、なるべく距離をとってということは配慮しながら行なうつもりです。


2020.09.07 写経の会
エアコンの設備がない本堂ですが、午前中は筆を持つ手が汗ばむほどではないですね。
とは言え、マスクをしての30分間の法話は、チョット汗がにじみました。
Tシャツでしゃべれれば楽なのですが・・・(笑)
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山形県尾花沢市にある
曹洞宗寺院の住職です

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