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第51回 東照寺写経の会

本日の参加者は14名。

今日の法話は 『 仏遺教経 』 6回目。

“ 瞋りの心を捨てなさい ” です。

他者に傷つけられようとも、怒り恨むことを避けることができるのが “ 有力 ( うりき ) の大人 ( だいにん ) ” だとお釈迦様はおっしゃっています。

“ 有力の大人 ” とは、修行のできた立派な人格者であり、菩薩様のような人だというのです。それを目指しなさいと。

 恚心 ( いしん ) を縦 ( ほしいまま ) にすれば、即ち自ら道 ( どう ) を妨げ、功徳の利を失っす。
 忍の徳たること持戒 ( じかい ) 、苦行も及ぶこと能 ( あた ) わざる所なり。


いかりの心のままに悪口を言えば、それはこれまで行ってきた仏への道を踏み外し、積み重ねてきた徳もすべて失い、信頼をも失ってしまう。
耐え忍ぶという行いの徳は、戒律を守ることや苦しい修行を行なっても及ばないすばらしい行為なのだ。

また、お釈迦様の生の言葉が記されているというダンマパダ ( 法句経 ) 第5 に、次の言葉があります。
 実にこの世においては、
 怨みに報いるに怨みを以てしたならば、
 ついに怨みの息 ( や ) むことはない。
 怨みを捨ててこそ息む
 これは永遠の真理である

            〔 中村 元 訳 〕
 この教えを、第二次世界大戦の戦後処理として行われた昭和26年9月のサンフランシコ講和会議で、セイロン ( 現スリランカ ) 代表のジャヤワルダナ藏相 ( 後の第2代大統領 ) が行った演説に取り入れられたのです。
 「人はただ愛によってのみ憎しみを越えられる。人は憎しみによっては憎しみを越えられない・・・」というお釈迦様の言葉を引用して、日本に対する賠償請求を放棄する演説を行い、諸外国にも同じようにするよう訴えられました。
 戦争の被害を、正義をかざすが如く振舞うのではなく “ 許す ” という行為。今の日本があるのも、仏教徒の包容力があったればこそ世界の国々を動かし得たのだと思います。
 戦後の時代を生きている私たちは、このことを学ばなければならないと思います。

2021.10.11 金魚
池の金魚も食欲の秋!
エサが待ちきれない様子で集まってきます。
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