第53回 東照寺写経の会
本日の参加者は14名。
先月と同様に “ 茶話会 ” も開催しました。
今日の法話は
『 仏遺教経 』 8回目。
まず、先月の “ 憍慢 ( きょうまん ) ” と “ 諂曲 ( てんごく ) ” について復習した後に、
いよいよ、 「 八大人覚 ( はちだいにんがく ) について 」 です。
これは、仏佛遺教経の後半部分に示された、要となる教えです。
「 大人 」 とは、現代の二十歳以上が大人 ( おとな ) などという基準とは違います。
仏や菩薩のような方のことです。
仏の御子としてふさわしい心を持ち、行動できる人のことです。
その、大人が実践する八つの実践項目ということですね。
お釈迦様の教えである仏教は、苦しみから逃れ幸せに生きるための方法を教えてくださっているのです。
多くの教えの中で、お釈迦様が亡くなる直前の説法ですから、大変重要な教えなのです。
その要の八つを順にお話していきます。
その第一が “ 少欲 ( しょうよく ) ” です。
人間は 「 欲望 」 から解き放たれることが幸せの第一歩だということですね。
人間の欲望は、財欲、色欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲の五つの欲でよく示されます。
その中で、命を維持するのに最低限の欲は、飲食欲、睡眠欲ですが、このふたつはある一定の限度がありますが、財欲と名誉欲は限りがない。特に財産に対する欲望は歯止めがかかりにくいものです。
お釈迦様は欲がダメだと言っているのではないのです。
早く移動したいという欲が電車や車、飛行機を作り、電話やテレビなどの便利な製品が生み出されてくるのですから。
環境問題に影響しますので、その対応も十分考えていかなければなりませんが・・・。
お釈迦様は欲の多い人は、求めることも多く苦悩も多いのだと。
欲を少なくすれば、減らした分、心に安らぎが得られるのですよと教えてくださっているのです。
欲望に心が振り乱されて、手に入れても満たされずに、また次のものをと求める多欲の人に対する戒めとして第一番目に “ 少欲 ” を示されたのでしょう。
少欲とは、今あるものへの感謝の心を持つことなのではないでしょうか。
新しい車が欲しいが手が届かないと悩むより、古くても今乗っている車があることに感謝する。そう考えられれば悩みが少なくなる。
日曜日にゴロゴロ寝てばかりいる夫が邪魔だと文句を言うより、仕事をちゃんとしてくれてありがたいと思う。 ( 文字にすると、たとえがチョット・・・(汗) )
道元禅師の 「 半杓の水恩 」 という故事で
「 杓底( しゃくてい )の一残水( いちざんすい ) 流れを汲む千億人 」
というのがあります。
道元禅師が柄杓で水を飲み、底に残った少ない水をただ地面に捨て去るのではなく、水の流れに戻したという故事です。
気に留めることもなく捨てるであろうわずかな水に対しても、ありがたいものを粗末にできない。そして、その貴重な水は、この後、多くの人々に影響していくということまで思慮された道元禅師の心に、今、手にしているものへの感謝の姿を見、 “ 少欲 ” の教えをも感じます。
先月と同様に “ 茶話会 ” も開催しました。
今日の法話は
『 仏遺教経 』 8回目。
まず、先月の “ 憍慢 ( きょうまん ) ” と “ 諂曲 ( てんごく ) ” について復習した後に、
いよいよ、 「 八大人覚 ( はちだいにんがく ) について 」 です。
これは、仏佛遺教経の後半部分に示された、要となる教えです。
「 大人 」 とは、現代の二十歳以上が大人 ( おとな ) などという基準とは違います。
仏や菩薩のような方のことです。
仏の御子としてふさわしい心を持ち、行動できる人のことです。
その、大人が実践する八つの実践項目ということですね。
お釈迦様の教えである仏教は、苦しみから逃れ幸せに生きるための方法を教えてくださっているのです。
多くの教えの中で、お釈迦様が亡くなる直前の説法ですから、大変重要な教えなのです。
その要の八つを順にお話していきます。
その第一が “ 少欲 ( しょうよく ) ” です。
人間は 「 欲望 」 から解き放たれることが幸せの第一歩だということですね。
人間の欲望は、財欲、色欲、飲食欲、名誉欲、睡眠欲の五つの欲でよく示されます。
その中で、命を維持するのに最低限の欲は、飲食欲、睡眠欲ですが、このふたつはある一定の限度がありますが、財欲と名誉欲は限りがない。特に財産に対する欲望は歯止めがかかりにくいものです。
お釈迦様は欲がダメだと言っているのではないのです。
早く移動したいという欲が電車や車、飛行機を作り、電話やテレビなどの便利な製品が生み出されてくるのですから。
環境問題に影響しますので、その対応も十分考えていかなければなりませんが・・・。
お釈迦様は欲の多い人は、求めることも多く苦悩も多いのだと。
欲を少なくすれば、減らした分、心に安らぎが得られるのですよと教えてくださっているのです。
欲望に心が振り乱されて、手に入れても満たされずに、また次のものをと求める多欲の人に対する戒めとして第一番目に “ 少欲 ” を示されたのでしょう。
少欲とは、今あるものへの感謝の心を持つことなのではないでしょうか。
新しい車が欲しいが手が届かないと悩むより、古くても今乗っている車があることに感謝する。そう考えられれば悩みが少なくなる。
日曜日にゴロゴロ寝てばかりいる夫が邪魔だと文句を言うより、仕事をちゃんとしてくれてありがたいと思う。 ( 文字にすると、たとえがチョット・・・(汗) )
道元禅師の 「 半杓の水恩 」 という故事で
「 杓底( しゃくてい )の一残水( いちざんすい ) 流れを汲む千億人 」
というのがあります。
道元禅師が柄杓で水を飲み、底に残った少ない水をただ地面に捨て去るのではなく、水の流れに戻したという故事です。
気に留めることもなく捨てるであろうわずかな水に対しても、ありがたいものを粗末にできない。そして、その貴重な水は、この後、多くの人々に影響していくということまで思慮された道元禅師の心に、今、手にしているものへの感謝の姿を見、 “ 少欲 ” の教えをも感じます。
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